AA-Jは患者が体験をシェアする場として活動をはじめてきました。
そのような場がなかったからです。
私の姿勢は、日本の環境で起こったこと、患者さんの状態などについて私ができる学術的な論述をまとめるトライをしてきました。その活動をもとに以下の3つの論文を発表させていただきました。
論説
「明石郁生:アトピー性皮膚炎患者の心理的社会的葛藤におけるナラティヴ・アプローチの有効性の検討 ファミリーチャイルドセラピー No4.Sept.2010」
「明石郁生:ナラティヴ・アプローチによるアトピー患者の心的外傷への接近 ファミリーチャイルドセラピー No.6 Sept.2012 」
「明石郁生:アトピー患者への心理臨床の取り組み ファミリーチャイルドセラピー No.7 Oct.2013」
以降、どのように潜在的な患者さんに適切な医療を提示できるか、同時に、心理臨床家として皮膚医療ととどう提携できるか(リエゾン)を学術的に提示したいという関心についてワークショップや個別のサポートをしてきました。
もとアトピー患者であることは、そのうえで臨床心理士として専門家活動をすること、また、日本においてアトピーについての活動をすることは、いわゆる「アトピービジネス」として誤解を生じることが少なくなく孤独を感じる過程でありました。私にとっては、ひとりの体験者から専門家へ移行する、私自身の成長のプロセスだと思いとりくんできました。
ヒフ科臨床において、新薬の効果が、必要としている患者さんに適切に施される機会が、開くことを切に希望します。