- ホーム
- 過去の記事一覧
過去の記事一覧
-
オンライン小説『リバウンド』-019 絶望するには十分すぎる。
ユウジンは熱燗をビールに変えてますます絶好調。名物の川魚を焼いたのといのししの煮込みを食べた。いまでは、店内は常連のお客たちで込み合いうるさく、おかげで気兼…
-
オンライン小説『リバウンド』-018 ないものとしてふたをする。
ユウジンはふもとの居酒屋に河岸を変えた。入り口がこじんまりとしていて奥に小上がりがあって、リタが好きなタイプの店だ。こういうとき元恋人は気心が知れていて楽かも。…
-
オンライン小説『リバウンド』-017 ユウジンの語り
オフシーズンで平日の観光地のカフェは静かに時が流れる。経営状態が心配になるが。雪にかわりそうな小さな雨が窓ガラスを打っている。遠くの森に別荘がいくつか見える。と…
-
オンライン小説『リバウンド』-016 クラブハウスサンドイッチ
「自殺者に共通していることがあるんだ」ユウジンは声のトーンをひとつ下げた。「なに?」『ワイプ』「病気を苦にして?」ユンジンは頭をかいた。「ところ…
-
オンライン小説『リバウンド』-015 エス市
新幹線を降りてすぐに驚いた。待合室の6人がけソファーに座る全員が顔中に包帯を巻いていた。帽子を深くかぶっているものもいる。みな無口で周囲に緊張した空気が蔓延…
-
オンライン小説『リバウンド』-014 リタ
「まただわ」リタは地方紙を眺めてやりきれない気分になった。「田舎の自殺か?」デスクのアサノがオフィスに入ってきて挨拶がわりに言った。コートからは宿命的な…
-
オンライン小説『リバウンド』-013 真新しいヒフ
師走のガクダイの駅を降りると風景が違って見えた。同じ風景なのだが色鮮やかで濃淡が強い。すれちがう人々が意地悪ではないような気がする。午後早い時間の東急ストア…
-
オンライン小説『リバウンド』-012 治験
ドクターボノはシャワーを浴びたばかりの石鹸のにおいがかすかにした。剃り残しが見えた。昨日の事は夢ではないんだ。「眠れたか?」ぼくはなんだかまだだまされて…
-
オンライン小説『リバウンド』-011 健康的な二日酔い
聞きなれない電子音が鳴った。ちょっとしたプールのようなベットに倒れていた。生まれて初めてと言っていいぐらい深く眠ったのかもしれないが気絶していたという方があって…
-
オンライン小説『リバウンド』-010 ドクターの告白
ぼくは冷たいサケで酔った。もう尻が座っていない。とりだしたファイルをどのフォルダしまっていいのかわからない。何を質問していいのかわからないし自分が何を聞いたらす…