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過去の記事一覧
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オンライン小説『リバウンド』-009 ビール、スシ、サケ
研究所のエントランスを出ると青く高く広い空のずっと遠くのほうがオレンジ色に染まっていた。頬に乾いた風を感じる。Tシャツが軽くて気持ちいい。ドクターはスモールエク…
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オンライン小説『リバウンド』-008 オールドファッション
おまえちっともおもしろくないないとドクターがかぶりを振った。それでやっと白衣の男女は顔を見合わせたりカメラのスイッチを入れたりして空気がなごんだ。「オオサカ…
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オンライン小説『リバウンド』-007 ポートランド
月曜日の朝、ポートランド空港に着いた。構造物のあちらこちらに木材を使っていることになぐさめられながらもよろよろと通路を歩く。相変わらず自分がどこに向かっているの…
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オンライン小説『リバウンド』-006 たこやき
オオサカで起こったことをビサに話した。「治験って何をするのか全然わからないけど体を丸ごと提供するってことだよな?」「彼は研究者だから…
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オンライン小説『リバウンド』-005 オオサカ
始発電車に乗るためにビサが朝4時から包帯を巻くのを手伝ってくれた。全身に包帯を巻きジャージと長袖のTシャツで覆った。顔は包帯を少なめにしてマ…
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オンライン小説『リバウンド』-004 ビサ
死をぼんやり考えるとホームページを更新するのはどうでもいいように思えたが『ワイプ』検索結果で赤いメガネマークがついて嬉しかったのでとりあえずその日まで続ける事に…
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オンライン小説『リバウンド』-003 コンビニ
じっとりと暑い空気を浴びてコンビニへ向かった。暑さから意識をはずしていて麻痺させていたが、包帯の下に汗がぶわっと吹き出て気が狂うほど気持ち悪…
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オンライン小説『リバウンド』-002 ガクダイ
蒸し暑い梅雨のはじめの夜。ガクダイ駅を降りて、近くの路地にある中華食堂で日替わり定食をビールで流し込んだ。雑誌を読むふりをして15分をかけた。今日も生き延びるこ…
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オンライン小説『リバウンド』-001 上手につきあうとは?
やたらに冷たい小雨の降る春の朝、病院の前でバスを降りると傘の群れに圧倒された。びしゃびしゃとクルマが行き交う音を聞きながらしばらく立ち尽くす。目の前を外来にむか…
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オンライン小説『リバウンド』rebound-作品梗概
作品梗概 「リバウンド」ぼくは『ワイプ』を発症していた。“上手につきあいなさい”と医者に標準治療『セラ』を長きにわたって処方されるが改善せず難治化し人…