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論文 Family Child Therapy No.7 Oct.2013
アトピー患者への心理臨床の取り組み
ーアトピーアソシエイション・ジャパンの試みの報告ー
明石 郁生
はじめに
アトピー性皮膚炎(以下:AD) は、分子生物学的発症メカニズムの解明やステロ イド薬を代表とする治療薬の進歩にもかかわらず、患者数は減るどころか逆に増加 する傾向にあり、多くの患者は難治化し、心身両面の重荷は長期間継続している。 とくに心理面においては数年にわたり継続する病苦と付き合っていくことで本人の 負担はもとより、家族にとっても大きな負担となっている3)。AD患者への心理学 的援助の必要性を主張する皮膚科医もいるが、多くの皮膚科外来での心理学的配慮 は、まだ十分にはなされておらず、患者数の増加とともにAD患者に対する心理学的 援助の必要性はますます高まっている 11)。
本稿では筆者の運営するアトピーアソシエイション・ジャパン(以下:AA-J)の 取り組み事例における、心理臨床の試みを報告する。AA-Jは、アメリカ皮膚医学博 士Robert T. Matheson,MD. 6)を主治医とする日本人向けAD治療プログラム事務局を 担っている 1)。以下に、AA-Jが取り組んでいる患者、ご家族への面接、コンサルテ ーションとインフォームド・コンセント(治療内容の説明と同意)、日本人AD患者 の主な原因と治療概略、セルフケアの支援、心理ケアという5点を挙げて述べてい く。
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「1%の奇跡」明石郁生 WAVE出版 2016
18歳でアトピーを発症、その後、標準治療〜30歳で、怖くなってステロイド軟膏を止める、壮絶なリバウンド状態となり6年間廃人のように過ごす。36歳の時にインターネットでマセソン先生を知る。原因を特定したカスタマイズされた治療で完治。それ以降、過去の自分のような方の選択しのひとつになればとアトピーアソシエイションジャパンの活動継続している。現在52歳。臨床心理士として開業カウンセラーを生業としながら、ドクターマセソン治療プログラムのコンサルテーション、インフォームド・コンセントを担当している。
1%の奇跡